陽だまりのテングチョウ

テングチョウ
早春の穏やかな日、テングチョウ(写真)が陽だまりに出て来て、ひなたぼっこをしていました。この”天狗蝶”という名前は、頭部の下唇髭という部分が天狗の鼻のように長いことに由来します。テングチョウは成虫で冬を越す蝶で、ムラサキシジミと同様です。近づくと少し向こうに飛んで、なかなか距離を詰めさせてくれませんが、それでも日向が心地よいのか油断したのか、じっとして写真に納まってくれました。もっと暖かくなると活発に飛ぶので、ゆっくり写真を撮るのが難しくなります。
テングチョウは越冬した母蝶が春に産卵します。それより生じた幼虫が育って6月頃に羽化した成虫は、夏・秋・冬を越して翌春の産卵する年1化が通常の発生経過ですが、本州や九州各地では2化目が出現する場合も知られています。多摩森林科学園では夏や秋にもよく見かけます。幼虫の食樹はエノキ属のエノキやエゾエノキです。幼虫がエノキの葉を食べる蝶としては、他にオオムラサキゴマダラチョウがいます。これらの蝶も科学園の森にすんでいますが、幼虫で越冬するので、いまの季節に成虫をみることはありません。(よ)